ゲームも1つの映画を観ているような作品でしたから、うまく映像化されているのでしょうな(・∀・)
台湾のRedCandleGamesさんが開発したホラーゲーム「返校 DETENTION」ですけれども。
その実写映画版が日本でも放映されることが決定したみたいですね!
邦題は
「返校 言葉が消えた日」
になるとのこと( ・`ω・´)
今でも対立が続いている中国と台湾
ここらへんの話はセンシティブなことなので、このブログで詳しい話は記載しませんが。
今でもニュースを見ていると、中国と台湾が対立しているという話が出てきますよね。
もっと複雑な問題ではありますが、あえてシンプルに説明すれば、中国側は「台湾は中国の一部だ!」だと主張し続けており。
対して台湾は「台湾は台湾という国だ!」と主張をしていることによる対立が起きていますな。
RedCandleGamesさんが開発したホラーゲーム「返校 DETENTION」でも、舞台は架空の高校ですけれども。
内容としては、1960年代の台湾・・・
白色テロ
と呼ばれる政治的な弾圧が行われていた時代の話が描かれています。
「よくぞ描いた!」となったのか、「思い出したくない・・・」となったのか、それとも、「そんな歴史があったの?」となったのか。
この「返校 DETENTION」という作品は台湾でも話題となり、更に台湾国外でも話題の作品となりましたな。
また、「返校 DETENTION」は物語もしっかり作られている作品だったためか、その後2019年に台湾で実写映画化されました(・∀・)
題材になっている「白色テロ」って何?
でまあ、「返校 DETENTION」の物語の中心でもある
白色テロ
って何?となるかもしれませんが。
あまり詳しく書くと長くなってしまいそうなので、詳細は調べてもらいまして(;´Д`)
1945年頃の台湾は、戦争に負けた日本軍の武装解除を目的に中国大陸から
蔣介石(しょうかいせき)国民政府主席
率いる
中国国民党
が台湾にやってきます。
名目上、台湾を回復するということで国民党が行政を引き継いだのですが。
結果、半端ない汚職の数々が判明・・・また、強姦したり強盗したりしても処罰されないなんていうこともあったそうです。
もちろん、もともと台湾にいた人たちは反発するわけですが、国民党側はそれをあしらう日々が続いていました。
ですが、1947年2月27日・・・台北市で闇タバコを販売していた女性を中華民国の警察などが暴行。
それに同情した台湾の人たちが集まったときに警察が威嚇発砲をしたのですが、その弾が無関係な台湾人に被弾、死亡させてしまします。
それをきっかけに台湾人の怒りが爆発・・・翌日の2月28日に市庁で民衆の抗議デモが行われたわけですが、そのデモ隊に対して憲兵隊が機関銃などを発砲。
多くの死傷者を出すこととなります。
これが日本の歴史の教科書などでも書かれている
二・二八事件
と呼ばれる事件ですね。
この二・二八事件をきっかけに、国民党は戒厳令(かいげんれい)を発令。
この戒厳令とは、治安悪化や暴動を抑えるために実施される法令の一つで。
国民の権利を保障した憲法や法律一部を停止して、行政権や司法権の一部、または全部を軍部の指揮下に移行する
法令なんだそうです。
二・二八事件以降、中国国民党は台湾人の監視を強化。
少しでも国民党に反発する、またはその恐れがあると認められた場合、投獄や処刑を実施したそうですな・・・。
この戒厳令は1987年に解除されるわけですが、それまでの期間に行われた弾圧を、台湾においての
白色テロ
というみたいですね。
「返校 DETENTION」では1960年代の台湾を舞台にしていますので、まだ戒厳令が発令されている最中の話なわけですな。
このように改めて調べてみると、「なんで中国と台湾が対立しているんだろう?」という部分も少しは見えてきますな。
「返校 言葉が消えた日」が2021年7月に放映予定
ほんのちょっとだけ歴史のお勉強となりましたが。
その白色テロを題材にしていた「返校 DETENTION」を、更に実写映画化されたものが2021年7月に日本でも公開されます。
邦題は「返校 言葉が消えた日」ということで、舞台は1962年の台湾。
蒋介石の国民党の独裁政権下にて、翠華高校(架空の高校)に通う女子高生
ファン・レイシン
が主人公の物語が描かれます。
放課後の教室で眠ってしまったファン・レイシン・・・その後目を覚ますと校内には誰もいなくなっていました。
誰もいなくなっていた校内を歩き回っていると、彼女を慕う男子学生
ウェイ・ジョンティン
と出会います。
この2人は、政府から禁じられた本を読む読書会のメンバーだそうで、一緒に学校から脱出を目指しますが、どうしても学校から出ることができません。
そんな学校の中で悪夢のような恐怖に襲われながら、学校で起こった政府による迫害事件の真相、そしてその原因について解明していく・・・という物語になっています。
台湾では2019年に公開されており、すでに中華圏の映画の祭典では12部門にノミネート。
新人監督賞や脚色賞などなど・・・様々な賞を受賞し、2019年の台湾映画の中で1位のヒット作品となったみたいですね。
ゲームをプレイしていた人もそうでない人も、重く切ない物語を観るもよし。
また、これを機に台湾の歴史を調べてみるのもいいのかなと思います。
ちなみに、Netflixでは「返校」のドラマが配信されているそうですな。
舞台は30年後の1990年代の翠華高校・・・すでに戒厳令は解除された年代ですが、どのような物語が展開されるのか。
こちらも気になる人は見てみては?
あとがきっくす
この「返校 言葉が消えた日」は
台湾人が忘れてはならない40年にも及んだ負の歴史を正面から描いた作品
だそうです。
フィクション要素は混ざっているのでしょうけれども、観る人によっては「こんな時代があったのか」と思う作品になるのでしょうな。
ちなみに、国内向けメインビジュアルに
「あなたなら、どう生きましたか?」
と書かれていますが、今はまだコロナ禍で大変な時期だとは思いますけれども。
当時の人達はこのコロナ禍とは比較にならないくらい辛く苦しい日々を過ごしていたのでしょうね。
寝転んでゲームをしたり、美味しいご飯も食べたり・・・そんな幸せな事ができている中でもいっちょ前に文句は言っていたり。
もちろん全員がそういう生活ではないとは思いますが、それでもまだ当時に比べたら幸せなのかもしれませんね。
変な話、そういう気持ちの再認識もさせてくれる映画かもしれませんな。